お子さまと移動する際に、避けて通れないのがエスカレーターやエレベーターの利用です。特に、都心部や時間帯によっては混雑していることもあるため、ケガや事故が起こるリスクも高まります。今回は、このようなエスカレーターやエレベーターを利用する際の注意点と対策を紹介します。

実際にこんなことが起こっています！

東京消防庁管内では、平成28年から令和2年までの5年間に、エスカレーターで起きたはさまれ事故により、21人の乳幼児（0歳～5歳）が救急搬送されています。

一方、エレベーターによる事故では、平成27年から令和元年までの5年間で、0歳から4歳の乳幼児が26人救急搬送されており、これはほかの年齢層と比較しても、もっとも多い件数となっています。

では、具体的にどのような事故が起こっているのでしょうか。東京消防庁の公式サイトに掲載されている、実際に起きた事例をまとめました。

【事例①】4歳児

エスカレーターに乗り、下っているときに、ステップと側面のスカートガードの間にサンダルがはさまってしまい、自分の手で取ろうとした際にケガをしました。

【事例②】2歳児

ショッピングモールのエスカレーターの降り口で遊んでいたところ、手すりベルトの引き込み口が気になり、右手を差し込んだ際に巻き込まれました。

【事例③】5歳児

エスカレーターの手すりに外側からつかまって遊んでいたところ、胸部が手すりと壁の間にはさまれ、入院を要するほどのケガをしました。

【事例④】3歳児

エレベーターに乗る際、大人が目を離した隙に、子どもが誤ってエレベーターの戸袋に腕をはさまれて抜けなくなりました。

エスカレーターの注意点と対策

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シッティング中に、お子さまといっしょにエスカレーターやエレベーターを利用することになったとき、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。

まずは、エスカレーターの注意点と対策を紹介します。

• 保護者さまにエスカレーターの使用の有無について、必ず聞いておく
• 乗り降りする際のタイミングが不安な場合は、必ず抱っこなどでお子さまを支える
• お子さまの成長過程（また、その日の服装や様子）に合わせて、無理に使用せず、エレベーター、もしくは階段を使用する
• 必ず手をつなぎ、エスカレーターの線の内側に乗る
• シッターが下に来るように乗る
• ゆっくり降りられるように、うしろの人がいないタイミングで乗るか、うしろの人に十分間を空けてもらう
• エスカレーターでしゃがんだり、座ったり、歩いたりしない
• お子さま、シッター共に、ズボンやスカートの裾、マフラー、靴紐が巻き込まれないよう注意して乗る
• ベビーカーやカートでは、絶対に乗らない・乗せない

東京消防庁によると、ビニール樹脂製のサンダルやゴム製の長靴などは、摩擦により、エスカレーター側面とステップとの隙間に巻き込まれる危険性が高いようです。

シッティング当日に移動が発生する場合は、当日の服装を事前に保護者さまと話し合うのはもちろん、常にお子さまから目を離さないよう注意しましょう。

エレベーターの注意点と対策

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エレベーターの場合、手や指をドアにはさんでしまう事故が考えられます。指や腕を骨折する事例もあるため、エスカレーターを利用する際と同様に注意が必要です。

どのような点に気をつけるとよいのでしょうか。事前にできる対策をまとめました。

• お子さまが、扉に手や身体を挟まないよう、必ずシッターが「開くボタン」を押すか、扉を抑えながらお子さまの出入りを見守る
• 乗る際に降りる人と衝突しないように、「降りる人を待ってから乗ろうね」と事前に声かけをしておく（扉が開いた瞬間に、お子さまが勢いよく乗らないように注意する）
• 入口・出口の扉の前には必ずシッターが立ち、お子さまが先に乗ったり降りたりしないように十分注意する
• 大人の間に挟まれ、呼吸が困難になる可能性があるため、混んでいる際は無理して乗り込まない

エレベーターは、共同住宅やビル、店舗など、あらゆる場所に設置されています。エレベーターの乗降時に転んだり、手や指をはさまれたりしないよう、子どもとエレベーターに乗るときのマナーについても事前に確認しておくと安心です。

以下の記事では、それらに加え、子どもにマナーを伝えるときのポイントもお伝えしています。今後の保育の参考にしてみてください。

Check!【KIDSNA STYLE】
子どもとエレベーターに乗るときのマナー 出典：エスカレーターで起きる乳幼児のはさまれ事故に注意！/東京消防庁 出典：救急搬送データからみる日常生活事故の実態/東京消防庁 出典：エスカレーターを安全・快適にご利用いただくために/日本エレベーター協会 出典：エレベーターを安全・快適にご利用いただくために/日本エレベーター協会