保育中の「もしも」に備える。ベビーシッターのための災害時対応ガイド

保育中の命を守る!事前面談と事前準備の重要性
tatsushi / stock.adobe.com
日本は地震大国と言われているように、いつ、どのタイミングで自然災害が発生するかわかりません。そのため、保育中に災害が起こる可能性もあります。お子さまと自分自身の命を守るために、しっかりと事前面談で災害時の対応を確認しましょう。
また、シッティング当日までにシッターができる備えもあります。そちらもあわせて確認していきましょう。
事前面談で必ずおさえておきたい確認事項
まずは、保護者さまとの事前面談で確認しておくべき点について紹介します。
- 緊急時の連絡先(2つ以上控えておくとよい)
災害用伝言板やフリーメールなど、電話が不通になったときの連絡手段まで確認しておくとより安心です。 - 災害時の避難場所と避難経路、交通手段
どのような方法で、どの道を使って避難するのか確認します。お散歩や送り迎え時に災害が起こった際の避難場所などの確認もあわせてできると、なおよいでしょう。
特に乳児の場合、自宅保育のみの依頼であっても、抱っこ紐やベビーカーを常に用意しておいてもらうことで、災害時のスムーズな避難が可能になります。 - 緊急時の持ち物
お散歩バッグのように、さっと持って行けるようにまとめておいていただくと、よりスムーズな避難につながります。 - かかりつけの病院
事前に、お子さまの診察券・保険証・乳児医療証が置いてある場所を保護者さまに確認しておきましょう。
また、これらがご自宅にない場合や、保護者さまが持って外出している場合は、直近で受診したことのある病院を確認しましょう。お子さまに受診歴がない場合は、緊急時に備えて、近隣の病院を保護者さまにお聞きし、把握しておくことも大切です。 - 応急処置用品の保管場所
- 消火器の設置場所
これらの情報は、事前面談用ヒアリングシートにしっかり記入しておきましょう。なお、事前面談用ヒアリングシートは定期的に更新しています。最新のものをご持参ください。
シッティング当日までにできる備え
事前面談以外にも、シッター自身がシッティング当日までに行っておくべき備えもあります。
- シッティング先の災害マップを確認し、周辺の地理を頭に入れておく
地震があった際に、津波が来る恐れのある地域の場合、どの方角に逃げるのか頭に入れておくと安心です。 - 避難場所と緊急連絡先をスマホに登録する
- 応急手当の講習を受講する
このような講習は、各自治体の消防署などで実施されているため、積極的に受講しましょう。また、Webで受講できる応急手当講習などもあります。 - 持ち運びができる防災グッズを用意する
以下の動画を参考に、準備しましょう。
鞄に忍ばせるだけの防災ポーチの作り方動画
100均でそろう防災ポーチの作り方
ワーママ防災士の防災ポーチの中身
シッティング当日は、動きやすい服装や履き物でお伺いすることが大切です。また、当日が悪天候になりそうな場合は、事前に保護者さまと連絡をとり、安全なシッティングが実施できるかどうか相談しておきましょう。
なお、キズナシッターの重大事故防止マニュアル61ページには、災害への備えと対応について記載しています。こちらも参考にしてください。
災害用伝言ダイヤル171とは?
Paylessimages / stock.adobe.com
災害用伝言ダイヤルとは、地震や噴火などの災害の発生により被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合に提供される声の伝言板です。 こちらへダイヤルすると、伝言の録音と再生を行うことができます。
シッティング中に災害が起こった際に活用できるよう、保護者さまと情報共有しておきましょう。
以下に、171の利用方法を紹介します。
【録音方法】 ※伝言録音時間は、1伝言あたり30秒以内です
- 171に電話すると、ガイダンスが流れる
- 録音の場合、「1」を押す
- 自分の電話番号を押す(市外局番から)
- 伝言を録音し、確認して完了
【再生方法】
- 171に電話すると、ガイダンスが流れる
- 再生の場合、「2」を押す
- 相手の電話番号を押す(市外局番から)
- 録音された伝言が再生される
この災害用伝言ダイヤル171は、体験日も設けられています。保護者さまといっしょに体験しておくと安心かもしれません。
キズナシッター重大事故防止マニュアルを徹底活用しよう
hanack / stock.adobe.com
キズナシッター研修一覧に公開されている重大事故防止マニュアルには、シッティング中に起こりうる、さまざまな緊急事態に対応するための具体的な情報が記載されています。
たとえば、「地震発生時の対応」「火災発生時の対応」「風水雪害の対応」といった自然災害への備えから、近年社会問題となっている「不審者対応」まで、幅広い危険からお子さまを守るための詳細な手順が記されています。
これらの情報は、単に「知っている」だけでなく、実際に緊急時に適切な行動が取れるよう、繰り返し読み込み、シミュレーションしておくことが非常に重要です。マニュアルに目を通すだけでなく、ご自身のシッティング環境に当てはめて、具体的な行動計画を立ててみましょう。
お子さまの安全を守ることは、シッターとしてもっとも重要です。ぜひこの機会に、キズナシッターの「重大事故防止マニュアル」をすべて確認し、これからのシッティングに自信と安心をもって臨めるよう、知識をアップデートしましょう。
出典:災害用伝言サービス/総務省