送迎や戸外保育の依頼では、公共交通機関を利用して移動する機会もあるかもしれません。しかし屋外での移動には、多くの「ヒヤリハット」が潜んでおり、実際に危険な目に遭ったというシッターの方も少なくないようです。そこで今回は、シッターの方々の声をもとに、移動中に起こりうる危険や、お子さまの安全を守るための具体的な注意点を詳しく紹介します。事前に対策を学び、安心してシッティングに取り組めるよう準備をしましょう。

実際にこんなことが起こっています！

お子さまの送迎など、屋外移動にはどのような危険が潜んでいるのでしょうか。実際にベビーシッターの方々から届いた、公共交通機関での移動の際に起こったヒヤリハットの事例を紹介します。

【事例①】5歳男児

交通機関：バス
依頼内容：習い事のお迎え→ご自宅でのシッティング

習い事の終了時刻が遅れ、毎回乗っているバスの時間にぎりぎりになったため、次のバスに乗ろうと提案しました。
ところが、お子さまが「早く帰って遊びたい」と早歩きしはじめ、途中でバスが来るのが見えたとたん、うしろのバスの方を見たまま急に勢いよく走り出しました。
まさに赤信号の横断歩道に飛び出すところで、通行人にぶつかり、お子さまも通行人もよろけてしまいました。

【事例②】4歳男児

交通機関：バス
依頼内容：ご自宅→習い事への送り

バスを降りる際、料金を精算している間に、お子さまが先にバスを降り、歩道を走り出しました。
その後、お子さまは転倒し、顔面と口内から出血するケガを負ってしまいました。
この事故は、保護者の方と病院を受診し、保険が適用されるインシデントとなりました。

【事例③】6歳男児

交通機関：地下鉄
依頼内容：保育園のお迎え→習い事→ご自宅への送迎

地下鉄のエスカレーターを降りている最中に電車到着のアナウンスが流れたため、お子さまが駆け足でエスカレーターを降り、電車に飛び乗ってしまいました。
わたしが追いかけて電車に乗り込むのと同時にドアが閉まり、お子さまが挟まれそうになりました。
また、お子さまだけを乗せて電車が発車してしまう寸前という非常に危険な状況でした。

【事例④】4歳女児

交通機関：電車
依頼内容：習い事のお迎え→ご自宅への送迎

満員電車で座ることができなかったので、吊革をもち、お子さまと手をつないで立っていました。
わたしもお子さまも荷物を持ち片手がふさがっている状態のところ、電車が急停車したことでバランスを崩して、お子さまが転倒してしまいました。

【対策】公共交通機関での移動で意識すること

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上記の体験談のような危険な状況に陥らないためには、どのようなことを意識するとよいのでしょうか。

お子さまと公共交通機関を利用する際の、重要なポイントは以下の2つです。

1. 時間に余裕をもって移動する
   シッター自身が焦らない、お子さまを焦らせないタイムマネジメントを心がける
2. お子さまとは必ず手をつないで移動し、離れない、離さないを徹底する
   絶対にバラバラに行動しない

具体的には、以下のことに気をつけましょう。

＜電車・地下鉄・バスなど＞

• お子さまとの移動は、大人の足の3倍以上の時間がかかると考え、出発時間を早めに調整する
• シッターが線路側・車道側を歩き、線路や車道にお子さまを近寄らせない
• 乗り物の出口・入口付近には、シッターが必ず立つようにし、お子さまがひとりで出入りしないよう十分気を付ける
• 移動中だけでなく、電車やバスを待っている時間も手をつなぐ、またはベンチなどに座って到着を待つ
• 移動中の車内で転倒するのを防ぐため、できるだけお子さまを座らせる（優先席近くのドアから乗車するなど）
• 電車とホームの間に落ちないように、足元をしっかり確認する（年齢に応じて抱っこをする）
• 手指をドアや戸袋に挟まれないように、ドア付近にはシッターが立つ

【応用編】シッターが押さえるべき移動中の安全対策

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お子さまの送迎など屋外移動中には、ほかにも注意すべき点があります。

お子さまとの移動中に避けて通れないのがエスカレーターやエレベーターの利用です。エスカレーターやエレベーターは、共同住宅やビル、店舗など、あらゆる場所に設置されています。

乗降時に転んだり、手や指をはさまれたりしないよう、以下の記事から、エスカレーターやエレベーターに潜む危険と注意点、それらへの対策をしっかり確認しておきましょう。

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