保育士資格を活かして起業したい!独立や開業を実現する仕事や個人事業主として活躍する方法

保育士資格を活かして起業できる?
保育園や認定こども園などで経験を積んだのち、起業して独立したいと考える方もいるでしょう。一方で、「起業したいけれど自信がない」「保育園で働き続けるべきか迷っている」「フリーランスに挑戦してみたいけれど、一歩を踏み出す勇気が出ない」などと悩むこともあるかもしれません。
フリーランスとして働く場合、一般的に自分でスケジュール管理をしながら、自分の都合や好きな時間にあわせて勤務できることが特徴です。個人事業主として組織に属さず柔軟に働けるため、魅力に感じる方も多いでしょう。実際に、保育士資格を活かして、起業・独立する方はたくさんいるようです。
今回は、保育士資格を活かして起業する場合、どのような仕事があるのかに焦点をあて、起業を目指す理由や具体的な職業などを紹介します。自分に合った仕事をチェックしてこれからの働き方を考えてみましょう。
保育士資格を活かして起業を目指す理由
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そもそも保育士として働いている方が起業や独立を考えるのには、どのような理由があるのでしょうか。
一般的な理由をまとめました。
理想とする保育の実現
保育園ごとに保育方針や業務の進め方、保護者対応などが異なるため、自分が働く園の方針や仕事のやり方が合わないと悩みを抱くことがあるでしょう。
なかには、ていねいに一人ひとりの子どもに対応したいと考えていても、クラス活動を進めるだけで精一杯になり、じっくり子どもと向き合う時間がとれないこともあるようです。
このように、自分が理想とする保育と現実がかけ離れてしまうと、起業や独立を検討するきっかけになることもあるかもしれません。
職場環境の悩みの解消
保育園は、園長や同僚、保護者などと連携しながら子どもの成長を見守っていく場です。そのような環境のなかで、人間関係がうまくいかず職場に馴染めなかったり、悩みを抱えて心労が積み重なったりすると、仕事に支障が出ることもあるでしょう。
このような状況から抜け出すために、フリーランスの道を選ぶ方もいるようです。
働きやすい環境の獲得
保育園での仕事内容は、書類作成や活動・行事の準備、園内の衛生管理など、多岐に渡ります。そのため、定時で仕事が終えられず残業が続くケースもあるでしょう。また、ほかの業種と比べると、仕事量に見合った収入が得られないと悩む方も少なくないようです。
そのような悩みを抱えたとき、もっと働きやすい環境で自由に仕事がしたいと考え、起業や独立を選択する方もいるかもしれません。
専門性の追及
組織に属していると、得意分野を活かした保育を行うのが難しい場合があります。その点、起業することで、語学や食育、発達支援など自分の得意分野や保育で叶えたいことを追求できるかもしれません。
これまでの経験と専門知識を土台に、理想の保育をかたちにしていくための第一歩と考える方もいるようです。
キャリアアップと収入向上
起業することで、自分が事業の責任者として、運営や経営、マーケティングといった幅広いスキルを身につけられることも魅力のひとつでしょう。これは、保育の専門家としてだけでなく、経営者としてのキャリアを築くことにもつながります。自分の裁量でキャリアの可能性を広げることができ、理想の働き方を追求できるかもしれません。
また、園などの施設に勤務する保育士の場合、給与は勤続年数や役職によって決まることが多いため、収入に不満を感じている方にとっても、起業は大きな解決策になり得ます。自分のスキルや経験を活かした高単価なサービスを提供することで、それに見合った収入を自分でコントロールできるのも魅力でしょう。
保育士資格を活かして起業できる仕事
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保育士が起業して独立する場合、どのような仕事があるのでしょうか。
保育士資格を活かして働ける仕事や求められるスキル、起業のメリット・リスクについて詳しく紹介します。
フリーランス保育士
フリーランス保育士とは、特定の保育施設に雇用されるのではなく、個人事業主として働く保育士のことです。自分のスキルや経験を活かし、多様な働き方を自ら選択できるのが大きな特徴でしょう。具体的な業務としては、保育業に加えて、SNS発信や講演会・セミナーの開催、コンテンツ制作などがあるようです。
なかには、仕事として成り立つのか、どのように続けていくのかという不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、変化していくライフステージのなかで、仕事や育児など生活のバランスが取れることで、自分にとって心地よい働き方だと感じる方もいるようです。
こちらの記事では、実際にフリーランス保育士として活動9年目を迎える方へのインタビューを紹介しています。自分のキャリアを考えるきっかけにしてみてはいかがでしょう。
求められるスキル
フリーランス保育士はさまざまな現場で人と接する場面も多いことから、柔軟な対応やコミュニケーション能力が求められます。
また、すべての業務を自分で責任をもって行う必要があるため、スケジュール管理や金銭管理などの自己管理能力も不可欠かもしれません。
これらのスキルを身につけ、専門性を高めていくことで、フリーランス保育士として安定した活動ができるのではないでしょうか。
メリット
フリーランス保育士の最大の魅力は、働き方の自由度が高いことでしょう。
働く時間や場所、仕事内容を自分で決められるため、ワークライフバランスを重視した働き方が可能になるようです。また、特定の専門分野に特化してスキルを磨き、その対価として収入を自分で決めることができるのも大きな利点かもしれません。
リスク
一方で、安定した働き方を望む場合はリスクも伴います。収入が不安定になりがちで、仕事がない場合はこれまでより収入が減ってしまうことも考えられるでしょう。また、社会保険や有給休暇などの福利厚生がないことから、病気やケガをした際の保障は自分で備える必要もあるようです。
ベビーシッター
フリーランスとして独立を考えている方に人気の職種がベビーシッターです。
保護者の自宅に行き、子どものお世話や遊びのサポート、保育園・習い事への送迎などを行うのが主な業務です。なかには、商業施設などで開催されるイベントや結婚式などに呼ばれ、子どもを預かることもあるようです。
ベビーシッターになるには、一般的に以下の3つの方法があります。
- 個人事業主になる
- 派遣会社に登録する
- マッチングサービスを利用する
最近は、マッチングサービスを利用して直接依頼者とやり取りを行い、仕事をこなす方が多いようです。また、副業として始め、顧客との信頼関係を築いたうえでベビーシッターとして独立する方もいます。
自分の都合に合わせてスケジュールを組み、仕事が受けられるときだけ働くというスタイルのため、無理のない範囲で勤務できるのも魅力でしょう。おおよそ1時間から仕事を受けられるという点も、人気がある理由のひとつかもしれません。
求められるスキル
預かる子どもの年齢はおおむね0歳から12歳と幅広く、それぞれの発達段階にあわせた保育が求められるでしょう。
乳幼児を預かる場合は、食事の援助や着替え、寝かしつけなど、身の回りのお世話が中心のようです。小学生を預かる際は、学校の下校時間や学童の終了時間にあわせて迎えに行き、いっしょに帰宅して留守番をするケースが多いでしょう。
ベビーシッターを利用する保護者は、仕事や冠婚葬祭など、さまざまな事情を抱えています。担当する保護者の要望に応じて、柔軟に対応する能力が必要になりそうです。
以下の記事では、ベビーシッターに向いている人の特徴について紹介しています。ベビーシッターとして活躍するためのヒントとして参考にしてみてください。
メリット
ベビーシッターとして起業する最大のメリットは、働き方の自由度と柔軟性の高さでしょう。特定の施設に縛られず、自分の都合に合わせて働く時間や場所を自由に選べることで、育児やほかの仕事との両立もしやすくなるかもしれません。
また、個人対個人の関係であるため、自分の強みを活かしたサービスを提供しやすく、そのサービスの価値が直接収入に反映される点も魅力のようです。人間関係も利用者とその家族との信頼関係が中心となるため、組織特有の複雑な人間関係に悩むことが少なくなるでしょう。
リスク
一方で、リスクとしてもっとも大きいのは、収入の不安定さといえるでしょう。
仕事の依頼がなければ収入はゼロになり、特に開業初期は安定した顧客を獲得するのに苦労するかもしれません。また、子どもの命を預かる仕事であるため、万が一の事故やトラブルが発生した際には、責任を自分で負うことになります。そのため、損害賠償保険への加入や、トラブル発生時の対応を事前に準備しておく必要もあるでしょう。
子どもや保護者と関わる事業
保育士の経験を活かして、子どもや保護者と関わる事業を起業する方法もあります。
具体的な仕事例は以下の通りです。
- 子育てカウンセラー
- 子ども服や玩具の販売会社の設立
- 保育園や児童館、幼児教室などの設立
なかには、志が同じ保育士同士が集い、共同経営者というかたちで起業する場合もあるようです。
求められるスキル
まず、興味や関心のある分野にどのようなニーズがあるのかをしっかり調べる必要があるでしょう。具体的には、市場規模や競合の状況の分析などを行ったり、利益が出る方法を考えたりすることが挙げられます。
また、起業にあたって資金調達や人材確保、税金や法関連の知識を得ることも重要です。たとえば児童館を開業する場合、条件を満たせば国からの補助金制度を利用することもできるようです。幼児教室を開業する場合は、開業費に「小規模事業者持続化補助金」という支援を活用できる可能性があるでしょう。
起業に向けて国や自治体、支援団体からの補助金制度を活用できないか、あらかじめチェックしておくことが大切ですね。
出典:小規模事業者持続化補助金について/中小企業庁メリット
子育てカウンセラーとして起業するメリットは、低コストで開業できる点でしょう。自宅やオンラインで始められるため、初期費用を抑えられそうです。また、発達障がいや不登校、産後うつなど、自分の得意分野に特化することで、独自のサービスを提供し、競合との差別化を図ることもできるでしょう。
子ども服や玩具の販売会社を設立する場合のメリットは、自分のセンスを活かし、独自のブランドを確立できることでしょう。また、ECサイトやSNSを活用すれば、実店舗を持たずに全国の顧客にアプローチできるため、高い利益率を目指せる可能性もあるのではないでしょうか。
保育園や児童館、幼児教室などの分野で起業するメリットは、社会の課題解決に直接貢献できる点かもしれません。特に、認可施設では国や自治体からの補助金が期待できるため、安定した事業運営が見込めるようです。また、新しい施設をつくることで、保育士などの雇用を生み出せることも大きな利点でしょう。
リスク
事業を法人化したり、店舗や施設を構えたりする場合、資金面でのリスクが増大するかもしれません。
従業員を雇う場合は、人材確保とマネジメントが大きな課題となることもあるようです。優秀な人材を確保し、定着させるための努力も不可欠でしょう。さらに、組織としての運営体制を整え、従業員の労働環境や福利厚生にも責任を持つ必要がありそうです。
施設を設立するには、許認可の取得や安全基準の遵守、労務管理など、多くの法的要件を満たさなければならないことも忘れてはいけません。これらのリスクを管理し、事業を円滑に進めるためには、専門的な知識が求められるでしょう。
保育士資格を活かした起業に関するよくある質問
保育士資格を活かして起業したいと考えていても、不安や疑問は尽きないかもしれません。ここでは、起業を目指す方からよく寄せられる質問とそれに対する答えを紹介します。
Q1.保育士資格があればすぐに起業できる?
A.保育士資格は起業するうえで大きな強みとなる一方で、それだけで十分ではないともいえます。
起業する仕事内容によっては、保育に関する知識以外に、事業計画の立案や資金調達、集客、経理などの知識やスキルなども必要になってくるでしょう。まずは、どのようなサービスを提供したいのかを具体的に考え、そのために何が必要かを洗い出すことから始めるとよいかもしれません。
Q2.起業するための資金はどのくらい必要?
A.必要資金は、どのような事業を始めるかによって大きく異なります。
たとえば、ベビーシッターやオンラインでの子育て相談サービスであれば、初期費用はほとんどかからない場合が多いでしょう。一方で、保育園や児童館のような施設を開設する場合は、物件取得費や内装費、人件費などで多額の資金が必要になります。国の助成金や自治体の補助金制度もあるため、事前に調べて活用を検討しましょう。
Q3.独立・起業後の収入が不安定にならない?
A.会社員のように毎月決まった給料がもらえるわけではないため、収入が不安定になる可能性はあるでしょう。
しかし、複数の仕事を組み合わせたり、継続的に依頼してくれる顧客を増やしたりすることで、収入を安定させることは可能です。ベビーシッターのマッチングサービスや、講師派遣サービスに登録するなど、仕事を得るための仕組みをうまく活用することも有効でしょう。
Q4.どのように仕事を見つければいい?
A.仕事を見つける方法はいくつかあります。
ベビーシッターやフリーランス保育士として働く場合は、マッチングサービスや派遣会社に登録するのが一般的でしょう。なかには、自身のホームページやSNSで専門性や実績を発信することで、直接依頼につながることもあるようです。最初は友人や知人に声をかけたり、地域のコミュニティに参加したりして、人脈を広げることから始めてみるのもひとつの方法かもしれません。
以下の記事では、ベビーシッターの主な働き方のうち、「派遣会社への登録」と「マッチングサービスの利用」のふたつの方法について詳しく解説しています。それぞれの仕組みや給与相場、特徴などをしっかり確認しておきましょう。
Q5.働き方はどう変わる?
A.組織のルールに縛られることが少なくなり、自分の裁量で働く時間や場所を自由に決められるようになります。
一方で、営業や経理、事務作業などすべての業務を自分で行う必要があるため、自己管理能力が求められるでしょう。その分、理想の働き方を実現できるという大きなメリットもあります。
保育士資格を活かして起業・独立を考えてみよう
保育士資格を活かして起業や独立を考えている場合は、まず、これからどのように働きたいのかを明確にすることが大切なようです。
フリーランス保育士やベビーシッター、事業設立など、さまざまな選択肢がありますが、それぞれ求められるスキルもメリットも異なります。また、起業することで自由な働き方ができる分、リスクが伴うことも理解しておくことが重要かもしれません。その両方を理解したうえで、自分がどのような働き方ができるか考えてみましょう。
保育の専門性を活かした自由な働き方で、理想のキャリアを実現できるかもしれません。
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