子育て

パタハラは男性版のマタハラ。社会的課題や背景、実際に受けた嫌がらせと対応

パタハラという言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。今回は、パタハラとはどのような意味を指すのかや、パタハラが起きる理由として考えられること、パパたちが受けた嫌がらせの種類と対応について、厚生労働省の資料とパパたちの体験談を交えてご紹介します。

パタハラとは

近年は女性の社会進出にともない、仕事や育児をする対象を性別で区別しなくなってきています。男性の育児休業取得率が広まっているなかで、パタハラがなくならないことも社会の課題といえるでしょう。パタハラの意味や社会における現状と課題をご紹介します。

概要

パタニティハラスメントとは、父性を意味するパタニティと嫌がらせを意味するハラスメントをつなげた言葉で、パタハラと略されることもあります。妊娠中の女性に対するマタニティハラスメント(マタハラ)の男性版を指す言葉ともいえるでしょう。

現状と課題

男女ともに出産や育児などによる離職を防ぎ、仕事と育児を両立しやすくすることを目的として、2021年6月に育児・介護休業法が改正され、2022年4月1日から段階的に施行されました。

男性の育児休業取得を促進する「産後パパ育休」が創設され、育児休業を分割して取得できるようになりました。この2つを踏まえ、企業は育児休業給付に関する所定の規定を整備する整備することになっています。他には、育児休業を取得しやすい雇用環境整備および妊娠や出産を申し出た労働者に対して、企業には個別の周知や意向を確認することと、育児休業の取得状況を公表する措置が義務づけられました。

厚生労働省の資料によると、近年は男性の育児休暇取得率は上昇傾向にあるものの、男性と女性の取得率の差にはまだ開きがあります。育児休業を申請しなかったパパたちによると、「育児休業を取得することでパタハラを受けた」「育児のために働き方を変えたいと伝えることで、パタハラにつながるのではないか」という声もありました。

出典: 令和3年改正法の概要/厚生労働省

パタハラが起きる背景

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パタハラはどのような原因によって起こるのでしょうか。パタハラを受けた方や、パタハラを目撃した方たちに聞いてみました。

スタッフの理解不足

「育児休業は妊娠している女性が取得するものという固定概念があるのではないかと思います。自分が育児に参加してこなかった年配の男性が上司の場合、男性が育児休業を取得するという発想に至らないのではと考えました」(20代/3歳児のパパ)

男性が仕事を、女性が育児や家事を主に行う時代を過ごした方の場合、男性が育児のために働き方を変えるといった発想を持っていない方もいると考えるパパがいるようです。企業には、女性の社会進出や男性の育児参加など、現在の社会にフィットした考え方に変わってほしいと願うパパもいました。

企業の体制不足

「うちの会社は、育休を取得した場合のサポート体制がないことが原因だと思いました。業務に支障が出ないよう体制を整えたり、人員を増やしたりという対応を想定していない状況では、スタッフの不満につながり、パタハラが起こりやすくなると考えます」(30代/5歳児と10歳児のパパ)

企業側の体制が整っていないことも、パタハラにつながるのではないでしょうか。パタハラを目撃した方からは、育児休業を取得する人がいることで社内の雰囲気が悪くなると、男性が育児休業を申請することにマイナスイメージがついてしまうため、悪循環であるとの考えも聞かれました。

パタハラだと感じた嫌がらせの種類

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パタハラにもさまざまな種類の嫌がらせがあるようです。子育て中のパパたちが実際に受けた嫌がらせについてご紹介します。

「妻の妊娠を上司に伝えたところ、『最近男性でも取得しているニュースがあるけど、育休なんて取らないでね』と言われました。妻は里帰り出産を予定していないため、私も育休を取得したいと考えていたので、言い出しにくくて困っています」(30代/男性)

「育休を申請した後に辞令があり、希望しない部署に異動になったことがあります。これまでの経験やスキルを活かせる部署とは思えず、異動になった理由を尋ねたところ、『長期的に休む人材なので仕方ない』と言われて悔しい想いをしました」(40代/10歳児のパパ)

「育児と仕事を両立するために時短勤務にしたところ、同僚から心ない言葉をかけられました。『残業がなくていいよね』『仕事を押し付けないでほしい』と、継続的に言われると、後ろめたい気持ちになってしまいます」(20代/1歳児のパパ)

制度を利用させないような言動や継続的な嫌がらせなど、さまざまな種類のパタハラがあるようです。他には、育児休業取得を理由に上司や同僚から無視された方もいました。

パタハラを受けたときの対応

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パタハラを受けたとき、どのような対応をしたらよいのか悩む方もいるのではないでしょうか。パパたちに、実際に行った対応について聞いてみました。

記録

「私は、パタハラを受けた事実関係を明確にしておくべきだと考えます。いつ、誰からどのような嫌がらせを受けたのか記録しました」(30代/4歳児のパパ)

嫌がらせを記録したパパがいるようです。継続的に言動による嫌がらせを受けたパパからは、音声を録音して保管し続けたという声も聞かれました。

相談や報告

「信頼する上司との1on1でワークライフバランスの話になったとき、パタハラを受けていることを報告しました。企業としての信頼や制度づくりとしても課題だと受け取ってもらえ、性別に関係なく育休を取得しやすい環境整備の流れが生まれてよかったです」(20代/男性)

上司に報告したところ、改善の方向へ進んだケースもあるそうです。社内の育児休業制度を自分でも確認した上で、相談窓口でパタハラを受けている話を聞いてもらったというパパもいました。

パタハラは個人だけでなく社会全体の課題

男性版のマタハラといわれる「パタハラ」は、育児休業などの制度を取得することで受ける嫌がらせを指す言葉です。男性の育児休業取得率が上がり、法改正による段階的施行も進むなか、パタハラがなくならないことは社会全体の課題といえるでしょう。

企業には、性別に関係なく育児休業制度を周知し、取得についての意向を確認する義務ができました。制度を利用する側も内容を理解しておき、正当な立場で申請や取得ができるとよいですね。

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