手づかみ食べを行う理由。始める目安や取り入れたメニューと意識したこと
手づかみ食べを行う理由
厚生労働省の資料によると、手づかみ食べは、食べる能力を発達する上で大事な役割があるとされています。実際に手で触って経験することで「口から食べ物の位置はどのくらいなのか」「どのくらいの力で握ればよいのか」など、赤ちゃんはさまざまなことを学ぶでしょう。手づかみ食べを取り入れることで、「自分で食べたい」という意欲や関心を育むと考えられており、次第にスプーンや箸がじょうずに使えるようになるともいわれています。
手づかみ食べを始める目安
手づかみ食べを始めた頃の食事の様子について、ママ・パパたちに聞いてみました。
3回食になる
「生後9カ月に入り3回食になったことをきっかけに、家族と朝や昼、夕食を同じ時間に楽しめるようになったので手づかみ食べを始めました。目の前で家族が食べていると、食べたいという気持ちが出てくるようで、自分から喜んで食べ物に触れていました」(30代/1歳児のママ)
離乳食が進み3回食になったことを目安に、手づかみ食べを始めた家庭があるようです。他には、3回食に移行したので大人と同じメニューを薄味にして、手づかみ食べの食材として取り入れていたとの声も聞かれました。
歯茎でつぶせる固さのものを食べられる
「生後8カ月の終わりから、歯茎でつぶせるような固さのものを噛んで食べられるようになってきたので、少しずつ手づかみ食べを取り入れるようになりました。最初は触っているばかりでしたが、自分でつまめるようになると食べる量も増えていった気がします」(20代/10カ月のママ)
赤ちゃんが食べられる固さを意識して、手づかみ食べを始める目安にしてもよさそうです。バナナくらいの固さを食べられるようになったことで、手でつかみやすいメニューを出しやすくなったというパパの声も聞かれました。
手を伸ばして食べ物に触れようとする
「家族みんなで食事をすることが増えていくと、赤ちゃんの方から手を伸ばして食べ物に触れようとする姿が出てきました。自分で食べたい気持ちが出てきたのかなと考え、10カ月頃から積極的に手づかみ食べ用のメニューを作るようになりました」(20代/11カ月の赤ちゃんのママ)
赤ちゃんが自分から食べ物に手を伸ばそうとしている姿があれば、そろそろ手づかみ食べを考えてもよいかもしれません。パパのなかからは、赤ちゃんが食べ物をじっと見つめて興味をもっている様子だったので、手の届く所に置いてあげると、つかんで口に運ぶようになったとの声もありました。
手づかみ食べを始めるときに取り入れたメニュー
ママ・パパたちに聞いた、手づかみ食べを始めるにあたって最初に取り入れたメニューをご紹介します。
温野菜
「最初は、さつまいもとかぼちゃの温野菜を取り入れました。自分で食べた嬉しさを感じてもらいたいと考え好みの野菜にすると、喜んで食べてくれたので嬉しかったです」(20代/9カ月の赤ちゃんのママ)
子どもが食べ慣れている野菜から始めたママがいるようです。スティック状に切ったニンジンや大根を電子レンジで加熱して温野菜になると、調理が簡単だったので手づかみ食べを取り入れやすくなったというパパの声もありました。
おにぎり
「うちの子はご飯が好きなので、10カ月頃から一口サイズより少し小さめのおにぎりを食べるようになりました。細かくちぎった焼き海苔をつけておくとつまみやすいようです」(30代/1歳児のママ)
子どもの様子に合わせて、小さめや棒状のおにぎりを作ってもよいかもしれません。ごはんに野菜や鮭などを混ぜた場合には、油をひいたフライパンで焼くとほぐれることなく、手づかみ食べしやすそうだったとの声も聞かれました。
おやき
「手づかみ食べを始めた11カ月頃は、刻んだ小松菜とチーズ、シラスを混ぜたおやきを作っていました。下の子は青菜の野菜が苦手でしたが、おやきに混ぜると味が気にならないようでたくさん食べていたので驚きました」(30代/1歳児と4歳児のパパ)
調理方法を工夫すると、苦手な食材も手づかみ食べしてくれる場合もあるようです。おやきを作るときに、少し片栗粉を混ぜるともちもちした食感となり、子どもが喜んで食べてくれたとの声も聞かれました。
手づかみ食べを始めるときに意識したこと
手づかみ食べを始めるときにどのようなことを意識していたのか、ママ・パパたちに聞いてみました。
意欲的に食べられるような準備
「手づかみ食べしやすいように、子どもの椅子と机を見直しました。椅子は床に足が着く高さにして背もたれと背中の間にクッションを入れてあげると、食事に集中しやすくなり、積極的に手づかみ食べをしています」(30代/1歳児のパパ)
食事環境を整えて、意欲的に食べられるような工夫をしたパパがいるようです。ママのなかからは、なかなか手が出ないときは、食べ物を小皿に一口量ずつ入れてあげると、興味をもって食べてくれるようなったとの声も聞かれました。
手づかみ食べしやすい食事
「野菜は1センチ角のスティック状にしたり、おやきやチキンナゲットは小さな小判状にすると食べやすい様子でした。子どもが食べやすいと感じると、手を伸ばしてくれることも増えたので、様子を見ながらスプーンでカットすることもあります」(20代/10カ月の赤ちゃんのママ)
子どもが手を伸ばして食べてくれるように、サイズや形状を調整するのも大切かもしれません。固さは、大人の指でつまんだときに簡単につぶせるくらいに調理しておくと、子どもの歯が生えていない場合でも食べやすそうだったというママの声も聞かれました。
片づけがしやすい環境
「後片付けがしやすいように、机や椅子の下に新聞紙を広げてから食事をしています。食後は汚れた新聞紙をそのまま丸めて捨てれば、床掃除の手間が少なくなるので気持ち的にも楽になりました」(40代/1歳児と5歳児のママ)
手づかみ食べをするときは、片づけがしやすいように環境を工夫しておくのもよさそうです。パパのなかからは、頭からすっぽりかぶれるようなスモックタイプのエプロンにすると、洋服が汚れにくくなったのでよかったとの声もありました。
食べやすい工夫をしながら手づかみ食べを取り入れてみよう
手づかみ食べは、赤ちゃんの食べる機能の発達を促し、食べたいという意欲を引き出す役割があるとされているそうです。始める目安として、3回食になる以外にも、歯茎でつぶせる固さのものを食べられたり、食べ物に手を伸ばそうとする姿があったときにはそろそろ手づかみ食べを検討してもよさそうです。スタート時期は、子どもの好みに合わせて温野菜やおにぎりなどから始めてみるのもよいでしょう。手づかみ食べを取り入れるときは、子どもが意欲的に食べられるように環境や食事を工夫していけるとよいですね。
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