保護者さまと信頼関係を築く、ベビーシッターのコミュニケーション術

最初のメッセージで気をつけたいこと
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ベビーシッターと保護者さまの最初のコミュニケーションとなるのが、メッセージのやり取りです。このやり取りは、シッターの第一印象になるため、ていねいなメッセージを心がけましょう。
まずは、あいさつと自己紹介を
保護者さまからメッセージをいただいたとき、慌てて返信してしまうと、ついあいさつや自己紹介が抜けてしまうことがあるかもしれません。
まずは、
とひと言入れるだけで、ていねいな印象になります。
絵文字は最低限に
気軽にメッセージのやり取りができることがキズナシッターの特長ですが、はじめましての保護者さまに対しては、絵文字などは入れず、礼儀正しい文章を心がけましょう。
保護者さまがやり取りのなかで絵文字を使ったり、フランクに話される方だったりする場合は、徐々に絵文字を増やしていってもよいかもしれません。
やり取りの初期段階では主張しすぎず、相手の温度感に合わせたレスポンスを意識しながら、ご相談をいただいたことに対して感謝の気持ちで対応しましょう。
初回面談でお互いの呼び名を確認しよう
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初回面談では多くの質問項目があるため、つい忘れがちになってしまうのが、お互いの呼び名です。
ここでは、初回面談時に確認しておきたいお互いの呼び名について、紹介します。
シッターの呼び名
保育園や幼稚園での呼び名である「○○先生」と呼んでもらっているシッターの方もいるかもしれませんが、保護者さまによっては「先生呼びはさせたくない」と思っている方もいます。
また、シッターという仕事柄、生活に密接にかかわる部分があるため、家族や友人のように、より親しみのある呼び名でお願いしたいと思われる場合もあります。
そのため、保護者さまとお子さまに何と呼んでもらうとよいのかについてすり合わせておくと、今後の関係づくりもスムーズになるでしょう。
たとえば、
- お兄さん、お姉さん
- にいに、ねえね
- ○○さん
- ○○先生
- ○○ちゃん、くん
- ニックネーム など
お子さまが呼びやすく、今後も良好な関係を築いていけそうな呼び方にするのがポイントです。自分の呼び名を臨機応変に変えることを大変だと感じる場合もあるかもしれませんが、できるだけ各家庭のニーズにお応えしていきましょう。
保護者さまやお子さまの呼び方
また「ママ・パパ」なのか「お母さん・お父さん」なのかなど、保護者さまやお子さまの呼び方を確認しておくことも重要です。
- ご家族(父、母、兄弟姉妹、祖父母など)の呼び名
- お子さまの呼び名(「○○くん」「○○ちゃん」と呼ぶのか、ご家庭での愛称で呼ぶのかなど)
「今まで確認していなかった……!」というご家庭に対しても、今一度すり合わせてみましょう。
シッティングに慣れてきてからの注意点
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お子さまやご家庭のシッティングに慣れ、信頼関係が築けてくると、つい家族のような気持ちになってしまうという方もいるのではないでしょうか。
しかし、どれだけ長いお付き合いになっても、シッターは家族ではなく、対価をいただいてお子さまをお預かりしている立場です。親しみを持ちながらも、シッターとしての立場をわきまえた接し方を意識しましょう。
以下に、シッティングに慣れてきたころに注意したいポイントをまとめました。
保護者さまと同じような言葉遣いは使用しない
保護者さまとお子さまは親子なので、言葉遣いがきつくなる場面もあるでしょう。しかし、シッターがそれと同様の言葉遣いを使用することは危険です。「そう伝えていいんだ」と真に受けず、保育のプロとしての言葉遣いを心がけましょう。
たとえば、親子関係や交友関係で使用するような、くだけすぎたコミュニケーションは原則使用しません。
- 「○○しなさい」などの命令口調
- 「だめでしょ!」などの否定語
このような言葉は使用せず、以下のように言い換えましょう。
- 「○○してくれるとうれしいな」
- 「○○したらおもちゃで遊ぼう」
- 「それは危ないから○○してね」
知り得たプライベートな事情に踏み込まない
シッターとして働いていると、ご家庭のプライベートな事情を知ることもあるでしょう。
しかし、保護者さまから伝えてくれたことに対しての反応には十分な注意が必要です。特に、シッター自身が感じたままを口に出さないようにしましょう。
また、なにげない返答が保護者さまに不快感を与えたり、深入りしすぎたりすることで、今後の関係性に不都合な事態を招いてしまう場合もあります。
相談ごとへの対応としては、しっかりと専門職としての知識を伝え、保護者さまに安心感を提供することも大切ですが、特にアドバイスなどを求められていないのであれば、「そうなんですね」と傾聴するだけにとどめましょう。
「そんなことがあったんですね!○○ですね~」などと、自分の感情や意見を乗せた返答をしないように気をつけましょう。
話を膨らませすぎず、淡々と応答する
シッティングの最中には、お子さまから家庭内のさまざまなお話を聞くケースもあるでしょう。
そのような場合は、「○○って本当ですか?」とシッターから確認する必要はありません。お子さまの関わりにおいて知っておくべき情報以外で、シッティングに支障のないことであれば特に聞かず、保護者さまから話してくださるのを待ちましょう。
保護者さまとのコミュニケーションにおいては、さまざまなケースがあり、難しいと感じるシーンもあるかもしれません。今回紹介したこれらのポイントを心がけ、ベビーシッターのプロフェッショナルとして、保護者さまと良好な関係を長く継続していきましょう。