異年齢の子どもたちの保育は、遊びや身体能力の違いから、ベビーシッターにとって難しいケースがあるかもしれません。今回は、異年齢保育で起こりがちなヒヤリハット事例と、その具体的な対策を紹介します。

実際にこんなことが起こっています！

シッターの方のなかには、異年齢保育の経験がまったくない方や、経験はあっても年の離れ方によっては未経験だという方もいるかもしれません。

実際に異年齢保育を経験したことがあるシッターの方々からは、さまざまなヒヤリハット事例が聞かれました。

【事例①】3歳と生後11か月の兄妹

子ども部屋で遊んでいたところ、下のお子さまが、小さなおもちゃやビー玉、シールなど、お兄ちゃんが使っているおもちゃに興味を持ち、何度も口に入れようとしていました。
そのほかにも、クレヨンやペン、粘土など、下のお子さまには危険なものが多く、いっしょに遊ぶことよりも片付けながら見守ることに必死でした。

【事例②】8歳と5歳の姉妹

公園で鬼ごっこ中、わたしが鬼になり、お子さまふたりが逃げるかたちで遊んでいました。
上のお子さまを追いかけている間に、下のお子さまがいなくなってしまい、上のお子さまといっしょに探していたところ、公園内の植木の淵に座っているのを発見しました。
下のお子さまは、「疲れたから座って待っていた」とのことでしたが、連れ去りや迷子になったのではないかと、ヒヤリとしました。

異年齢保育で多いトラブルや注意点とその対策

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お子さまの月齢差や環境、諸条件によって注意すべきことは異なりますが、異年齢保育で起こりやすい3つの事案と、その対策をまとめました。

経験がある方もない方も、今一度しっかりと目を通しておきましょう。

赤ちゃんの窒息・誤飲

【事例①】にもあるように、乳児を含む異年齢保育で、まず注意する点は「赤ちゃんの窒息・誤飲」です。

年上の子の年齢に合わせたおもちゃがある環境で、下の子が身の回りにあるものに興味津々という場合は注意が必要です。下の子が何でも口にする時期であれば、なおのこと誤飲や窒息が起こらないよう配慮しましょう。

また、年上の子が下の子をお世話したい、いっしょに遊びたいという気持ちから、食べられないものをあげてしまったり、無理な関わり方をしてしまったりすることもあるようです。

【6つの対策】

1. 口に入るくらいの小さなおもちゃや、お子さまが口に入れてしまいそうなもの、その他の危険なものなどは、保護者さまによって手が届かない場所に保管していただくよう、事前面談にてお伝えする
2. シッティング中に①のようなおもちゃなどを見つけた場合は、お子さまの手が届かないところに片づける
3. 赤ちゃんの顔が見える状態を常に確保する
4. 赤ちゃんの口の中を定期的に確認する
5. 玩具の対象年齢を確認する
6. 食事介助がある場合は、それぞれの食事内容を確認する（食材や大きさなど）

窒息・誤飲の応急処置マニュアルはこちらから確認できます。もしものときが起こった場合にスムーズに対応できるよう、日ごろから目を通しておきましょう。

屋外保育での迷子

【事例②】にもあるように、異年齢保育で屋外に出る場合は、さまざまな事故や事件が想定されます。

さらに、お子さまも外で開放的になるうえ、成長や発達が大きく異なる年齢差の場合は、歩くスピードもまったく異なります。

【4つの対策】

1. いつも屋外でどのようにすごしているか、事前面談で保護者さまにしっかり確認する
2. 屋外でのトイレは、お子さまから目を離す要因になるため、外出前は、お子さまもシッターも手洗いを済ませておく
3. 「必ず手をつないでね」「トイレに行くときは必ず呼んでね」「絶対にひとりで先に行かないでね」など、外に出る前にお子さまと約束事を確認する（目を見て伝えると、より効果的）
4. すべてのお子さまが、常に視界に入る立ち位置を心がける

シッティング中に、お子さまが迷子にならないための対策をこちらから確認しておきましょう。

ケガ

シッターが異年齢保育をする際に起こりうるケガの事例は多岐にわたります。特に、年齢差がある場合、それぞれの発達段階や興味が異なるため、予期せぬ事故につながることがあります。

【4つの対策】

1. 上の子が下の子の手や足を踏んだり、激しく動いたときにぶつかってしまったりしないようにしっかり見守る
2. 下の子が上の子の真似をして、高いところに上る、段差からジャンプするなど、できない動きをしないように目を離さない
3. 公園などで遊ぶときは、遊具の対象年齢を確認する
4. 上の子と下の子が手を繋いで歩くとき、上の子に「ゆっくり歩こうね」「急に走らないようにしようね」などと声かけをする

小さなお子さまは頭が大きく不安定なことから、転んで頭を打つといったケガも考えられます。頭のケガや打撲の対応方法もしっかり確認しておきましょう。

年齢差もメリットに！異年齢保育で楽しく遊ぶコツ

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年齢によって、お子さまの成長や発達の程度は異なり、それによる興味や関心も大きく異なってきます。

上の子に合わせた遊びだと下の子には難しく、下の子が理解できるものばかりを選んでも、上の子は退屈して飽きてしまうこともあるでしょう。

「では、どんな遊びをすればいいんだろう……」と悩んでしまいますよね。そんなときは、以下の記事を参考にしてみてください。お馴染みの遊びも少し工夫をするだけで、異年齢の子どもたちが安心安全に楽しくすごせるものになりますよ。

Check!【保育士バンク】
異年齢児保育で楽しめる遊び